初奉唱

ようやく先日,本年度初となる大学のチャペルクワイアの奉唱を果たすことができました。忍耐強く練習に取り組んでくださった聖歌隊員はもちろんのこと,事前の準備に奔走してくださった「キリ活課」のスタッフの皆さんのご協力のおかげです。

対面授業で始まった今年の春,あっという間にあらゆる物事が「リモート」になり,聖歌隊もZoom練習に。もともと人数が少なかったうえに,2声以上の合わせ練習も難しいということで,必然的にユニゾンで歌う「グレゴリオ聖歌」を歌うことになりました(指揮者が大いに推奨したことにもよる。笑)。ネウマ譜をみながら一緒に勉強するのも楽しかったですし,何より,Zoomの特性?を活かして,歌う一人を除いて参加者はマイクをOFFにして聞こえてくる一人の歌声に耳を澄ませながら合わせて歌う,という練習を繰り返したことは貴重な経験になりました。

それはこの練習方法によって,対面で大勢で横並びで歌う練習とはまた一味違う合唱の魅力を味わうことができたから。それは,たとえばお気に入りのシンガーの歌声を聴きながら一緒に口ずさむ極上のひとときに似ているかもしれません。「Cantare amantis est 歌は愛する(愛ある)者に(こそ)ふさわしい」とのアウグスティヌスのことばの通り,ひとりひとりの声を愛し,ひとつになろうとする,cantores,うたびとたちの基本の心性を実感することができたからだと思います。

この愛すべき声の持ち主たちとの次の奉仕は翌々週。今度は緊張しないで歌えると良いね。


——青松の宇宙(そら)に 松ぼっくりコトリと落つ