「私のこの『声』は,世界にたった一つしか無い,神さまからの贈り物です。」

南山大学スコラ・カントールム 2007年度定期演奏会パンフレットより

これは今年入ってきたばかりの新入部員が定演に向けての決意として書いてくださったものです。
自分の「声」をこのように見つめることのできる人がいるということに,私は大きな感銘を受けました。音楽づくりがうまく進まずに悩んでいた重苦しい気持ちがふっと軽くなったことを今でもよく憶えています。

「声」は,音楽を奏でるその人自身のことをいうのでしょう。人はこの「声」を通して,共に音楽を響かせ合っている仲間の存在に気づきます。その経験はやがて,ハーモニーの輪の中にいる一人一人が実は「世界にたった一つしか無い,神さまからの贈り物」であることにも気づかせてくれるでしょう

「南すこ」は毎年合唱を通してさまざまなことを学んでいます。特に今年は,互いを認め尊敬し合うことの大切さ,その困難さを痛感した年だったと思います。互いの尊重と尊敬こそが合唱の基本。私たちはこの原点を今日あらためて確認したうえで,演奏に臨みたいと思います。

聖歌隊としての私たちの,今日の日のこのささやかな音楽奉仕が,まことの平和のおとずれ,比類なき「神さまからの贈り物」である主のご降誕の喜びを響かせるものとなりますように。