ライブ

久しぶりにオーケストラの演奏会に出かける。九州交響楽団の第385回定期。秋山和慶の指揮でシベリウス「交響詩 フィンランディア」「ヴァイオリン協奏曲」(ソリスト:成田達輝)「交響曲第1番」。3階席まで届く迫力ある演奏。ライブを聴くという行為からしばらく遠ざかっていたせいだろうか,いくつもの楽器の織りなすシンフォニーの妙と力に圧倒されっぱなしの2時間。現下を生きる者にとってライブはまさに「祈り—いのちのほとばしり」(棚次正和)を共有する時空であるのかもしれない。

ヴァイオリンの音も美しかった。アンコールはチェリストとのデュオで「ヴァイオリンとチェロのための”水滴”」。シベリウス9歳のときの作品という。雨で遊べなくて窓辺で戸外を見つめた幼い日がよみがえる。